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2008年06月16日

今年の冬物は注意が必要?

先日、アパレルにお勤めのお客様がご来店。
衣類の話になったんですね。

アパレルさんにも展示会がありまして、先日生地の展示会があったんだとか。
今年の冬物の展示だったんだそうですが、なんと今年の流行はポリウレタンらしいとの事。
ポリウレタンが流行るかもしれない、と聞いて正直良い気持ちはしませんでした。

ポリウレタンは数年前からクリーニング屋さんでもお客様に知っていただこうとポスターを製作したり、口頭で素材の特徴を伝えたりと努力してきた素材です。
その成果があり、最近では受付時に説明をすると、それは知っています、と言う方が増えてきました。

おさらいしますと、このポリウレタンと言う生地、ちょっと特殊な事情があるんです。
それは、製造してから約3年で劣化してしまうんです。
ある物は表面がべたつき始め、またあるものは表面がひび割れて剥がれてしまいます。

これはクリーニングするしないと言う問題ではなく、繊維として作られてから劣化が起こり始め、約3年ほどで目で見てわかるようになってしまうんですね。

ストレッチ性があるので、水着に使用されたり、数年前に流行ったストレッチ製のパンツなどにも使われてきました。
また、最近では、表面の独特の感触を出すためにポリウレタン加工を施してみたり、裏地に貼り付ける事で風を通さなくするというような使い方もしています。

問題なのは劣化するという事が分かっているのに、その説明をして売っていないこと。
品質表示には書いてあったりするんですが、買うときに読む人はほとんどいません。
また、約3年で劣化するのに、その割に商品が高価なものがとても多いのです。
数年前に流行ったときも、コート一着10万円以上はするんですが、吊りで売られていて、説明もなく買ったという人がほとんどでした。

今年の冬物、どういった形で使われるのか一抹の不安を感じますね。
販売されると、私たちの手元には5年近くその商品が出回ります。
流行は終わったけど、クリーニングに出てきて気づかなかったなんていうこともありえます。
用心しておかないといけません。

でも、流行って不思議なもので、流行の色とかもすでに決められているんですね。
ところが、必ずそれがはやるかと言うとそういうわけでもないんです。
中には、予定していた色とは違う色がはやるなんてこともありますから、今年の冬にポリウレタン製品が流行るかどうかは、実際に来て見ないと分かりません。

大騒ぎするほどではありませんが、頭の片隅に少しだけ入れていてください。
そして、今年の冬、服を買うときにちょっとだけ品質表示を見ていただいて、もしポリウレタンと言う表示があったら、よく考えてから買ってください。
買ってはいけないとは言いませんが、耐用年数が他の衣類に比べて短いという事を視野に入れていただければ、と思います。

投稿者 boribori : 2008年06月16日 23:14

コメント

こんばんは。ポリウレタン…流行になりそうなのですか。現状でも受付でリスクの説明に大変なのに、嫌だなぁ…というのが正直な気持ちです。劣化してしまった衣類の写真を用意したり、家から何度も使い古されて、伸び切ったり、ベタついたり、ボロボロと硬質化した「輪ゴム」を、説明時のアイテムとして使ったりしますが、あまり納得がいかないようです(わたしの説明下手もあるのですが)。「去年買ったから大丈夫でしょ?」と言われる方も多いですが、買われたのは去年でも、繊維が作られたのも去年とは限らないし。そのあたりの説明、理解していただくのは、なかなかに大変です。「リスク」を「クリア」するのがクリーニング屋。どんなシミでも落とせないなら「クリーニング屋じゃない?」との厳しい声も多いです。

投稿者 浅美 : 2008年06月17日 23:26

浅美さん、まいどです。
厳しいお言葉ですね。
でも、これを言われると、私ならお断りすると思います。

出来ないものは出来ませんと。

今回のポリウレタンの説明は、リスクではなく、素材の特性の説明です。
それが理解できないのであれば、私は受けません。
この状態で私がもし品物を受けてポリウレタンの特性が出てしまうと、当店の責任になってしまうからです。

ポリウレタンの特性は特殊すぎますが、物はいつか壊れるし、劣化するものです。
その話が通じないと、私たちサービス業、特にクリーニング屋さんは厳しいと思います。

度が過ぎる要求は断るのも仕事と考えます。

投稿者 boribori : 2008年06月18日 02:03

お返事、ありがとうございます。素材の特性。いろいろと知りたいのですが……かなり田舎なところに住んでいるもので、本屋では本が見つからないんです(講習とかないので、本に頼るしかないのです)。図書館も、コーナが狭くかなり古い資料。
水洗いで縮んでしまうものとか、ドライクリーニングで縮んでしまうものとか(あるのでしょうか!?)。まずは繊維の特性を知らなければなりませんね。

投稿者 浅美 : 2008年06月18日 03:31

浅美さん、毎度です。

勉強したいのなら、アマゾンなどで買うという手もあります。
また、業界紙のHPなどでも書籍の販売をしていますよ。
全ドラさんでも販売をしていますのでご検討ください。

特性はあくまでも特性です。
その理由まで知っておくと、洗い方で回避できるのかどうか判断できると思います。
また本に載っていない情報もあるのも事実。
それらは気になったときにネットで検索をすると、いろいろな所で情報を見る事が出来ます。
頑張って検索してみてください。

投稿者 boribori : 2008年06月19日 01:45

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