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2007年10月19日

Yシャツとオープンシャツ

コメントを頂きまして、今日の話は、Yシャツとオープンシャツについてです。

クリーニング店のトラブルのひとつに、Yシャツと思って出だしたら、ブラウスの料金だったとか、オープンシャツ扱いだったとか言うのがあります。
お客様はシャツはどれもシャツ、ですから、何で料金が違うのか?理解に苦しむかもしれません。
きちんとした説明をしてくれるクリーニング屋さんも少ないでしょうしね。

同じような形なのになぜ料金が違うのか?
それは洗い方に差が出るからなんです。

オープンシャツがどれか?という定義よりも、Yシャツの扱いで洗えないものと考えたほうが分かりやすいかもしれません。

Yシャツは、温度も比較的高めで洗うことが出来ますし、プレスも機械でバチン!と押すことが出来ます。
つまり、大量生産できるわけです。
しかし、Yシャツとして扱えないもの、つまり大量生産に向かない物は別扱いにしないといけなくなるんです。

具体的にいいますと、色が鮮やかだったり、デザイン性が高かったり、糸や生地が特殊だったり。

色が出そうなものは他のものとは一緒に洗うことは出来ませんので単品で洗うようになります。
また、デザイン性の高いものや生地が特殊なものはプレスを嫌います。
バチン!と押してしまうと、薄っぺらになってしまい見栄えが悪くなってしまうんですね。
こういうものは、機械でプレスできませんから当然ハンドアイロンになります。

また、装飾品がクリーニングに向いてないケースもあります。
ボタンが特殊だったりしても同様に別洗いにしてデリケートに扱います。

と、こうしてみるとどれもコストがかかるものばかり。
何十枚も一緒に洗える機械のなかに、数点だけでまわすということを考えると、想像できるんじゃないでしょうか。
また、ハンドアイロンで手仕上げとなると、大変だというのもお分かりになると思います。

しかし、そもそもお店によって表記や扱いがかなり違うので皆さん迷ってしまうと思うんですね。
今書いたような扱いをしていないお店もあります。
ちょっと色がついているからと、一緒に洗っているのに料金が違う、そういうケースもあるんです。

こればっかりはそのお店の方針によるので、なかなかこうだ!と言うのがないんですよね。

うちではみんな洗いますし仕上げもしています。
ですからお預かりするときに、どのように洗うか想像してお預かりしているんです。
ですから、そのつど説明もしていますしリスクがあれば当然その説明もします。
現場で実際仕事をしているから、どのように扱うか?分かるんです。

もし、当店で受付に別の人を雇ったとしたら、どう説明すればいいか?悩んじゃうと思います。
形がこうだから値段はこう、と言うわけではないですから。
先払いにすると厄介かなあと思います。

この話はいろいろなものに通じていると思うんですよね。
たとえば、コートなどでカシミヤやアンゴラが入っているものがある。
しかし、どのように違うか説明をしていないので、カシミヤやアンゴラが入っているというだけで高い料金になる、そういうような噂が広まってしまうんです。
洗うのは一緒なのに、って感じなんでしょうね。

そこで、ちょっと知恵を働かせるお客様は、何もいわない。
黙ってウールです、と言って出していかれます。
カシミヤとかいうと高くなると思っているから。
でも、いわないと当然カシミヤとして洗わないので、ダメージを負うことになる・・・・・、と行く前にきちんと表示を見て確認をすると思うのですが、やはり隠されているようでこちらもあまりいい気がしません。

素材が違えば洗い方も変わる。
当店ではそうしています。

そうじゃないところもありますけどね。

最終的にはいつもの様にクリーニング屋さんによって扱いも洗い方も違うのでしっかり選んでください、と言うことになってしまうのですが、中が違うのだから仕方がないんですよ。
でもどうせ洗うなら、どうせ料金が変わるのならしっかりと仕事をしているところに出したほうがいいと思います。
値段だけ変わっても仕事が変わらないのは嫌ですもんね。

でも実はクリーニング屋さんで困るのが、普段着だから、の一言かも。
この一言、結構僕らを迷わせます。

投稿者 boribori : 2007年10月19日 23:17

コメント

こんにちは。たいへん興味深く読ませていただき勉強になりました。

以前は、ワイシャツはいかにもワイシャツ、カジュアルシャツはアロハみたいな誰が見てもワイシャツじゃないとわかったのですが、最近のシャツは見た目もどっちともいえないようなものが多くなりましたね。

問題点は、受付=技術者(もしくはそれと同様の知識のある人)であればいいのですが、一般の受付担当がどこまでの判断ができるかどうか、またさらに複数の場合、全員が同じ判断基準を持っているかどうか、そして、さらにお客様がそれを納得するかどうかも絡んできますよね。

クリーニング店によっても基準がまちまちだったり、差額が20~30円だったらまだしも、工程上仕方ないのですが倍くらい違うと、消費者からすると「何でなの?」となるでしょうね。ほんと奥の深い問題です。

投稿者 宮井 : 2007年10月20日 09:31

宮井さん、毎度です。

本当にこの問題は難しいですね。
中間というか、本来のYシャツもおしゃれになってきているんでしょう。
悩まないお店はないんじゃないかしら?

ひとつの解決策として、自分のお店のクリーニングの工場は見ておくとまた変わってくるかなと思います。
実際に洗いを体験しておくとさらにベターですが・・・。
どのように仕分けて洗っているか、見ておくとスムーズに行きやすいでしょうね。

当店でも預かる人がその時々で違いますから悩むこともあります。
しかし、当店の場合では、どう判断していいか迷ったときは、みんなで集まって相談するようにしています。
もしくは、お預かりした後に、これはどっちだと思う?と再度話し合い、情報の共有を図るようにしています。
最初はまちまちでも、情報の共有を始めているうちに、価値観が似てくるので、受付時に変わることは少なくなりますね。

明確な基準ではないのですが、目で見て話をして感覚を共有していくと言うのもある意味立派な基準作りになると思うんです。

複数の人間で仕事をすると、いろいろ問題が出てきますよね。

投稿者 boribori : 2007年10月21日 08:32

「研修させてくれぇぇ!」と叫びたくなりました。まいどです。浅美です。プレスでバチン!と、実際にやっているところを見たことがありません。ネットとかで機械を見たことはありますが…。ワイシャツもデザイン性が高いものがほんとにふえましたね。以前にボタンが全て革で出来ており工場に送ったら、仕上がり日に帰ってこないことがありました。工場からは「お客さんに二・三日待って貰って下さい」。そういわれてもワイシャツは急がれるものなので、事情を聞くと「通常で洗ったら色が出てしまったので染みぬきをしなければならないし、ボタンを外して、また取り付けるのに時間がかかる」とのことでした。戻ってきたワイシャツは、ちゃんと真っ白になっていましたが、手触りがゴワゴワになってしまっていました。本部からは「店舗でボタンをちゃんと外して送るように」と怒られました。。。

投稿者 浅美 : 2007年10月21日 15:16

浅美さん、まいどです。
心の叫び、ですね。
生地だけでなく、おしゃれになってくると色々なものが付属してきて、同じYシャツとして扱えないものがたくさん出てきます。
一言にYシャツといいますが、値段もピンきりですし果たして同じ料金で、また同じものとして扱っていいのか?悩むところです。

皮のボタンがついていたとのころですが、これも口で説明されるよりも、実際工場で見て説明を受けるほうが、より預かるときに注意をするようになります。
色が出ているものを見るとさらに・・・。

口で説明されてもやはり実感わきませんしね。
経験と平行させるとより早く正確に覚えることが出来ると思います。

工場では当たり前なのかもしれませんが、受付ではなかなか理解できないことも多々あると思います。
やっぱり研修させてほしいですね。

投稿者 boribori : 2007年10月22日 08:25

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