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2008年01月24日

服が悪いのか、工場が悪いのか。

コメントをいただきました。
非常に難しい問題・・・。

詳細はこちらをどうぞ。

転職を考えるほど嫌になってしまったんでしょうか。
だとすると、とても残念です。
クリーニングって、非常に面白い仕事なんですよ、本当は。
綺麗になって、喜んでもらえて・・・。
きっと大変な事がたくさんあったんでしょう。

さて、コメントにある話なのですが、謝罪をしない、そこに一番問題を感じているような気がします。
工場側は、縮みやすい生地だから仕方がないというし、お客様は大事なときに着れなくて困ったとおっしゃるし。

クリーニングのトラブルは非常に複雑です。
と言うのも原因がどこにあるかつかみにくい、と言うのがあります。

服に問題がある場合、クリーニング店に問題のある場合、消費者に問題のある場合、もっと細かく言えばさらに細分化されます。
原因が分かりづらいので、すぐ謝罪と言うわけにも行かないという現実もあるんですね。

たとえば、今回の縮みの件にしても、クリーニングでなったのか、衣類の欠陥ではないのか、お客様が太ったことは無いのか、などなど、いろいろ考えられます。
通常のクリーニングをしていて、それでも縮むような製品もあります。
それらは問題のある商品ではないのか?いつも悩んでしまいますね。

昔、こういう事を経験したことがあるんです。
とあるお客様からのご紹介で、品物をお預かりしたことがありました。
そのお客様、とても服にこだわりがありまして、クリーニング屋さんはめったに利用しないとの事。
ご自分の洗濯が一番優れている、とおっしゃっていまして、お話を伺っていてもあながち間違いでもない様子。
ただ、それが一番か?と言うと答えはNOなんですが・・・。

で、お預かりしたものは麻の混紡のスカート。
10年前に買って、一度も洗ってないんだそうです。
しかし、着方が上手なので汚れていないとおっしゃっていました。

クリーニングの後、納品しまして、一週間ほどがたった頃、お電話をいただいたんですね。
縮んでいる!と、お怒りのお電話。
素材からして、洗い方からしても縮むなんて事が考えられなかったのですが、とりあえずお客様のところへ駆けつけます。

すると、烈火のごとく怒られるんですね。
しかも、こちらに相当不信感をお持ちになったようで、伝票に書いた文字を一つ一つ取り上げて、これがおかしいとか、おっしゃる。
略語で書いたり、決まりごとのマークのようなものも書いたりしてるので、一般の人には分かりづらいものもあるのですが、それが怪しいとか、言われてしまいます。

ここまで来ると、もう説明しても納得していただけないし、私たちも縮んだかどうか判断しなければなりません。
その場は、謝罪せずに、とりあえずお預かりしまして、伸ばしてくるようにお話をしました。

持ち帰ってから、すぐ伸ばすと言うわけには行きません。
まずは、その製品の寸法が分からないことには伸ばすことも出来ませんから。
と言うことで、メーカーに電話。

最初、女の人が出まして、とても丁寧な対応です。
事情を説明しまして、製品番号をいい、調べてもらってから、ご連絡をいただけることになりました。
数時間後・・・。
今度は男の人の声で、なにやら怒鳴っています。

おい!クリーニング屋か!おまえん所が・・・ゴニョゴニョ・・・・・、とまくし立てられまして、こちらも怒鳴られる理由が分かりませんから、電話を切ります。
こちらは、寸法を問い合わせただけなんですけどね。
でも、一昔前のアパレルさんにはこういった対応が多かったんです。

さて、こんな対応をするアパレル、どうするか?とみんなで話していたところに電話。
今度は一番最初に出た女の人からです。

とても丁寧に謝罪され、かえって恐縮してしまいます。
向こうも、なにやら勘違いされていたらしく、そこに着て、ちょっとご機嫌斜めの上司が電話しちゃったとかで、本当にすいませんと何度も謝られるんです。
事を荒立てる気もありませんし、寸法が分かればいいので、聞くと、不思議な事を言うんですね。

なんと、縮んだといっていたスカート、寸法よりも大きかったんです。

思わず、もう一度聞いてしまいました。
何度聞いても、作られたときの寸法よりも、大きい。
メーカーさんと話をし、お客様がどういった状態で着られていたかを話して、お互い、着ている内に広がったんでしょうね、と言うことで話がつきました。
広がったものをクリーニングして、生地が正常な状態に戻った、と言うことのようです。

さて、ここからが問題です。
縮んできつくなったとおっしゃっていたので、とりあえず、伸ばしてあげます。
数センチ伸ばして、納品に向かいました。

メーカーからの寸法よりも大きかったこと。
こちらのクリーニングは正常に行われ、異常に縮むような処理はしていないこと。
この二つを主に説明します。

ところが、お客様、自分は何年もサイズが変わっていないの一点張り。
私のほうとしてもこれ以上、なんともしようがありませんでしたのでそのままおいとましました。

とてもまれな例ですが、こんなこともあるんです。
まず、調べてみないと分からない。
そして、次にすることはまず元に戻るようになおすこと、だと私は思います。

今回コメントをいただいた事例は見てみないとなんともいえません。
本当に、商品に問題があったとしたら、きちんと説明をするべきです。

ただ、以前からコメントをいただいていまして、この工場がちょっと気になるのも事実・・・。
工場長の説明もいい加減でしたし、難しいですよね・・・。
適当な言い訳で、誤魔化す様な事だけはしないでいただきたい。
クリーニングそのものを疑われるようになってしまいます。
この話題は本当に難しいです・・・。

投稿者 boribori : 2008年01月24日 23:07

コメント

ありがとうございます。お返事を頂いて涙が溢れてしまいました。分からないことや不明な点を聞きたい。なのに教えてもらえない。受付は、品物のチェックをしっかりして預かって、仕上がった物を渡せばいい。クレームがあれば謝って、埒があかないときはサービス券を渡して納得してもらえばいい、と。
お客様がクレームでもってこられた服は、裏地が表に出ていて明らかに縮んでいました。工場は「伸ばせば問題ないんでしょ?」ということだったので、メーカーに問合せることはしていません。
また、よくご要望のあるワイシャツの襟や袖口の汚れのシミ・汗ぬき。色柄ものは色も一緒におちてしまうので白いワイシャツしか預からないようにと言われていたのですが、最近、色柄のワイシャツにシミ抜きのおすすめタグが付いて工場から戻ってきたりして。不思議に思って工場に問合せたら「社長が現場に立っていたときは溶剤につけてしっかりやっていたけれど、今の工場はそこまでしない。そこそこ適当にやっているので多少の色柄物もそこそこできる」との解答でした。それを聞いて、わたし自身がクリーニングに不信感をもってしまったのです。
受付の仕事は、辛いときもありますが、お客様とちょこっと世間話をしたり、「きれいになった。ありがとう!」と笑顔でお礼を言われると、この仕事をやっていて本当に良かったと思います。受付の仕事は嫌いではありません。お客様との会話の中で「この服は先輩からもらったものなんだよ」とか「とても気に入っていて、できるだけ長く着たいの」など聞くと、わたしの思いいれも強くなります。しかし、工場はそこそこの仕事。それを知って、品物をお預かりするのが心苦しくなってしまったのです。。。

投稿者 浅美 : 2008年01月25日 03:13

おはようございます。
おっしゃる通り洗って元のサイズに戻るのはよくありますね。( 笑 )
一度も洗っていないなら洋服が体に合わせて変化したのでしょう
私は時々洗いますから出来上がったズボンが元のサイズになって
おなかの周りがきつくなってきても着ているうちに体に合わせて伸びることは分かっていますからそのまま着ます。
半日も着ますと体に合ってきます。( 笑 )
洋服は同じものでも人それぞれの着方・姿勢等で変わりますので
対応はそれこそ千差万別、気の焼けることですね。
クレームを工場が処理しようと思いますと
専門知識を持っている人を当てなくては解決出来ないと思います
この専門知識が厄介で自分だけが理解できる専門知識と
他人に理解させることが出来る専門知識があります。
専門知識をもっていてお客様に説明できる能力を持っている人を
クレーム専門にまわせる人材・余裕のある工場は残念ながら今ではないのではないでしょうかね。
人材というよりはその方も説明できないんではないでしょうか。
代わりにお客様に説明してくださいといいますと
きっと逃げると思います。( 笑 )
浅美さんもめげないで好きな仕事でしたら続けているうちに
経験となって知識が出来てくれば人それぞれに対応した処理が出来ると思います。この仕事にかかわらずどの仕事でもクレームというものはあるものできっといい勉強となって自分のためになるものだと思います。老婆心ながら・・・

投稿者 sino : 2008年01月25日 11:41

温かい言葉、ありがとうございます。もう一度、気持ちをきりかえて頑張ってみようと思います。やっぱり、好きな仕事ですし、知識が広がっていくのは楽しいです。教えてもらえないことを嘆くより、自分にできる勉強に向かってみようと思います。

投稿者 浅美 : 2008年01月25日 17:28

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